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シンボルとしてのザクロ

ザクロ アイキャッチ画像 植物

ザクロは花色も明るく綺麗ですが、シンボルとしてはザクロの実がよく使われます。今回はザクロの実を中心にシンボルとして使用されている例を紹介します。

ザクロの特徴

ザクロの実は種子が多く、赤い身がぎっしりとつまっていることから「受胎」「生殖能力」「生命力」など「子孫繁栄」につながるようななシンボルが多いようです。中国では多子、多男子、子孫に恵まれ家族が代々繁栄する象徴として重宝されたようです。

学名Punica granatum
分類ミソハギ科ザクロ属
原産地西南アジア、南ヨーロッパ、北アフリカ ※諸説あり
樹高3m-6m
開花期5月-7月
花色白・黄・赤
流通時期※切花ではほとんど取扱いなし

ギリシア神話とザクロ

ギリシア神話のなかでザクロは登場しますが、神話のなかではザクロの木が生まれたきっかけとなる話や、死の世界と神々の世界をつなぐキーとなる果実として描かれます。

ザクロの木の誕生

ディオニュソス(バッカス) カラヴァッジョ
《ディオニュソス[英:バッカス](1598) 》 カラバッジョ(1578-1610)

ギリシャ神話の中でザクロの木の誕生した物語が描かれています。

ある美しいニンフは占い師から「いつか王冠を戴く身になるだろう」という予言を受け、それを心待ちにしていました。ニンフに想いを寄せていた酒と豊穣の神ディオニュソス(バッカス)はこの予言を利用して「おまえに王冠を与えよう」と誘惑して一夜をともにしました。

しかし、王冠は待てども与えられず、彼女は捨てられてしまい、失意のうちに死んでいきます。

憐れに思ったディオニュソスはニンフをザクロの木に変え、果実の先端に小さな王冠の形をした萼をつけてやりました。

きっとニンフはこんな形で予言が実現するとは思ってもいなかったでしょう。こうしてみると予言と人の人生を狂わせる側面があるのだと思わされてしまいます。

ザクロと王冠
ザクロの果実の先端についた王冠の形をした萼

【死と再生】のシンボルとしてのザクロ

ザクロはギリシャ神話の中で冥界の果実ともされています。

女神デメテル(ケレス)は娘ペルセポネを冥界の王ハデス(ブルトン)にさらわれてしまいます。デルメルは悲しみのあまり豊穣の女神としての仕事ができなくなりました。それによって作物は芽吹かず、果実も実らず、人間界は大飢饉となりました。

ベルセポネの略奪 シャルル=アントワーヌ・コワペル 
《ベルセポネの略奪》シャルル=アントワーヌ・コワペル(1694-1752)

困り果てた夫のゼウスはペルセポネを地上に連れ戻すことをデルメルに約束しました。

しかし、ペルセポネをなんとか手元に置いておきたいハデスはザクロを手にしてベルセポネに優しく語り始めます。

「喉が乾いてないかい?」

冥界に来てから何も口にしていなかったペルセポネは手渡されたザクロを食べてしまいます。しかし、それはハデスの罠でした。なぜなら冥界の食べ物を口にした者は冥界で暮らさなければならない、という掟があったのです。

ただし、彼女が食べたのは6粒だけだったので、死者の国に留まるのは1年のうち6ヶ月となりました。そのためペルセポネは春から秋までは母のデルメルと暮らし、残りは冥界でハデスと暮らすという生活を送ることになりました。それ以来、1年のうちに死と再生、季節が交代しながら繰り返されるようになったといわれています。

ベルセポネの帰還 フランソワ・ペリエ
《ペルセポネの帰還(1891)》フレデリック・レイトン(1830-1896)

仏教とザクロ

仏教ではザクロの実は子孫繁栄のシンボルとして描かれています。

吉祥果樹としてのザクロ

ザクロは仏教の鬼子母神(きしぼじん)[訶梨帝(かりていも)]伝説に登場する吉祥果樹として描かれています。

1000人の子どもを持つ女神ですが性格は残忍で、他人の子どもを捕まえては食べていました。

釈迦は訶梨帝を戒めるために彼女の最愛の末の子を見つからないように隠しました。訶梨帝

は我が子がいないことに気づくと泣き叫びながら探し回りました。

釈迦は子を亡くした親の気持ちを訶梨帝にもわからせようとしたのでした。訶梨帝は悔い改め釈迦の足元にひざまづきながら謝りました。釈迦は訶梨帝に「もしこれから人の子を食べたくなるようなことがあったら、ザクロを食べなさい」と持っていたザクロの実を手渡しました。

そのため訶梨帝は手にザクロの実を持ち、子どもを腕の中に抱いた姿で描かれるようになりました。

釈迦に諭された訶梨帝は仏法に帰依し以降は子どもを守り、子宝を授ける鬼子母神として安産と子育ての守護神となりました。

最後に

今回はザクロの実のシンボルについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか? 

ザクロはその果実を割った中身と同じように多くの物語や伝説が詰まっています。赤々とした粒が隙間なくみっちりと詰まっている姿は美しくもあり、どこか妖しくもあります。そうした部分がずっと昔から人々の心やインスピレーションを掻き立て続けているのかもしれませんね。

参考文献

植物
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